現在、社会から放置されたウイグル人の若者や子供たちが東トルキスタンで社会問題になっています。しかし中国政府はその問題を根本から解決しようとはしていません。
ウイグル人の若者の間で麻薬やエイズが蔓延しています。ストリートチルドレンとなったウイグル人の子供たちは政府から保護されることもなく、犯罪組織に強制的に働かされたり、自ら犯罪に手を染めることになり更正が出来るチャンスもありません。
多くの若者や子供たちが社会から見放されているのです。
東トルキスタンでは漢人の大量移住と経済の独占により、多くのウイグル人が職に就くことが出来ません。表向きウイグル地域は、中国政府が巨額の投資をして経済成長を続けていますが、それはウイグル人に恩恵があるわけではないのです。経済活動から多くのウイグル人が除外されています。
ウイグル各地の大学では、現地の民族であるウイグル人学生の割合が減り続け、2010年の統計では70%以上が漢人学生で占められています。
多くのウイグル人が学問を続けることも職を見つけることも難しく、社会的に追い詰められた状況の中で麻薬や酒に手を出す若者が増えています。そして麻薬注射からのHIV感染も増え続けているのです。ウイグル民族の麻薬中毒とエイズの発病率は他の民族に比べ高いレベルになっているという報告もあります。
近年のウイグル人の若者はウイグル語教育の禁止やモスクの立ち入り禁止、そしてウイグルの歴史教育を禁止された世代で、上の世代と価値観が断絶した状態にあるといえます。
宗教や文化を中心とした伝統的な地域社会が壊され若者の道徳観が欠如していることも、若者の社会参加や更正を困難にしている理由だと考えられます。
東トルキスタンや中国本土ではウイグル人のストリートチルドレンが社会問題化しています。
ウイグル人の子供がスリや泥棒で逮捕されていますが、警察当局は捕まえてもすぐに釈放しています。ウイグル人と漢人との民族的な対立を防ぐためとも言われていますが、犯罪を行ったウイグル人の子供は、社会的に更正することも教育を受けることもなく、また路上に放置されてしまいます。
そのウイグル人の子供が野放しになっている状況が、漢人にとって納得できるわけもなくウイグル人への偏見に繋がり、ときにはその不満がウイグル人に向けられることもあります。
中国本土を放浪するストリートチルドレンの中でウイグル族の9割が誘拐された子供であり、ほとんどがウイグル地域南部出身者というレポートもあります。犯罪組織によって誘拐された子供たちは、泥棒などの強制労働を強いられています。人身売買が頻発している中国では、警察当局から見放されたウイグル人の子供たちは犯罪組織にとって都合の良い存在になっているのです。
中国内地におけるウイグル族ストリートチルドレンの生存状況調査(1) : 思いつくまま
中国内地におけるウイグル族ストリートチルドレンの生存状況調査(2) : 思いつくまま
東トルキスタンから誘拐されスリをさせられる子供達 : 東トルキスタンに平和と自由を
中国の抑圧でウイグルの若者が危機的状況に : 世界ウイグル会議