東京オリンピック開幕中の1964年10月16日。
中国は東トルキスタンのロプノールではじめての核実験を成功させます。1996年まで延べ46回行われた核実験はアメリカやソ連の行った核実験とは異なる内容でした。
・核実験場が都市に比較的近い場所で、安全区域を設けず、避難誘導もせずに行われていたこと。
・現在まで地域の住民に対して放射能被害についての説明がされていないこと。
・そして広範囲に被害が及ぶ地表核爆発実験が行われたこと。
中国政府は「核実験の放射能による影響はない」と否定していますが、その一方で実験に関わった退役軍人への補償をはじめました。
核実験の実態について中国政府は発表を拒んでいますが、被害は周辺国に及び、近年中国の核実験についての研究は、ソ連崩壊以降の隣国カザフスタンのデータから客観的な検証が行われています。
※ウイグルの被曝者
1998年にイギリスで放送された「Death on the Silk Road」。ウイグル人医師アニワル・トフティ氏が東トルキスタンの村々を回り被曝によると思われる人々の健康調査を追ったドキュメンタリーです。
医師として多くの患者を診察してきたアニワル医師は、ウイグル人の健康状態の異変に気づきトルコに移住後、潜入取材に同行し核被害による多くの被曝者や、障害を持った子供たちが生まれる村の存在を明らかにしています。
※「Death on the Silk Road」の日本での上映については日本ウイグル協会にお問い合わせ下さい。
シルクロードでの核実験 : 高田純 札幌医科大学教授
「中国の核実験と周辺住民の被曝 -カザフスタンから垣間見られた放射能汚染-」羽倉洋行 一瀬昌嗣 : 素粒子論研究・電子版2010年